サバンナはアメリカ南東部、ジョージア州東端、大西洋に面し面積は202平方km(78平方マイル)。町なかに蛇行した川が入り交じりヨーロッパ人に植民地化される以前は湿地帯だった。18世紀にイギリス、スペイン、ポルトガルの入植者により町の基盤がつくられ、3カ国の文化が交錯したサバンナ独特の文化が形成された。
綿工業の集積地、そして港湾都市としても栄えた。サバンナはサウスカロライナ州チャールストンと並ぶ奴隷市場の中心地でもあった。1810年代の黄熱病の流行、1860年代の南北戦争の影響を受けサバンナの経済は一時停滞する。しかし1872年に綿花取引所(写真2)が設立され経済は活況を取り戻した。
チッペア・スクエアの4km四方が歴史地区に指定されていて、アンドリューロウハウス(Andrew Low House)、ダベンポートハウス(Davenport House)メルドリムハウス、(Green Meldrim House)など19世紀の政財界人の豪奢な暮らし偲ばせるコロニアル様式の素晴らしい煉瓦建築物が目を惹く。
歴史地区のほぼ真ん中にあるジュリエットゴードン・ロウハウス(Juliette Gordon Low House)は1820年築造、Juliette Gordon Low(1860-1927)はサバンナの裕福な家に生まれイギリスからガールスカウトの制度を導入した。その家の前でトム・ハンクス主演の映画フォレスト・ガンプの冒頭のタイトルバック、羽が空を舞うシーンが撮影された。この映画はウインストン・グルームの小説の映画化。
サバンナの町を歩いていてまず目につくのが樫の大樹から垂れ下がるスパニッシュモス。カリブ諸島からハリケーンに飛ばされてアメリカに渡来したという。正式にはチランジア・ウスネオイデス(Tillandsia Usneoides)といい、空気中の水分を吸収して育つエアープランツの1種で可愛い花も咲く。
ふわふわと風に乗ってどこに行こうと自由自在。寄生は樹木だけにとどまらず電線などにぶら下がって旺盛に成長する姿を見ると、そのたくましさに驚く。
樫の大樹とスパニッシュモスが茂る