ツーソンはアメリカ南西部、アリゾナ州の南東、総面積は505平方km(195平方マイル)、最大標高は727m。
同じ南アリゾナでもフェニックスは砂漠地帯、ツーソンは山と川に囲まれた緑ゆたかな町。ツーソンには銀と銅の鉱脈があり、さまざまな輝石も産出する地下資源の町でもある。
当地は数千年来、インディアンの居住地だったが1539年にスペイン人による入植がはじまり、アメリカ・メキシコ戦争が終結する1848年まで300年以上に渡りスペイン統治下にあった。現在でもスペイン文化の影響がきわめて大きい町として知られている。
西部開拓時代のツーソン周辺では鉱山、牧場の利権を巡ってならず者が往来し数々の西部
劇の舞台となった。「OK牧場の決斗(Gunfight at the OK Corral)」は有名。1957年公開のパラマウント映画ではワイアット・アープをバート・ランカスターが、ドク・ホリディをカーク・ダグラスが演じ、監督ジョン・スタージェスの代表作品となった。
これは1881年、ツーソンから南西80kmにあるツームストン(Tombstone)で実際に起きた事件。ワイアットは1848年生まれで幕末の志士と同世代。アメリカには日本ほど歴史好きはいないが、それでも日本の坂本龍馬に匹敵するほど保安官ワイアット・アープの人気は絶大。20世紀以降の数々の小説や映画に登場する。
1994年公開の映画「ワイアットア―プ(Wyatt Earp)」ではケビン・コスナーが主役を演じ、また2001年にはロバート・B・パーカーが「ガンマンの伝説(Gunman’s Rhapsody)」というタイトルで小説にした。
ツーソンへは何度も訪ねたがホテルはLoews Ventana Canyon ResortとWestin La Palomaの印象が良かった。ツーソンの少し北にMiraval という素晴らしいスパリゾートがあり、このホテルを設計したクローダ・オーブリー(Clodagh Aubry)さんは僕の30年来のニューヨークの友人。環境主義者であり現代アメリカを代表する女流建築家である。
スペイン統治時代の面影を残す町