アッシュビルはアメリカ南東部、ノースカロライナ州とテネシー州との州境を南北に流れるフレンチブロード川と東西に横断するスワナノア川が交差する東北側に位置し面積は107平方km(41平方マイル)、最大標高は650m。
アッシュビルでは驚くほど様式的な邸宅があちこちで見られる。アール・デコとネオゴシックの混在だがヨーロッパの伝統建築とは違い独特の雰囲気を持っておりアッシュビル・スタイルといってもよいのだと思う。
アッシュビルという地名は日本ではあまり知られていない。しかし2007年のRelocate-America.com でアッシュビルは「アメリカで住みたい場所ベスト100」のナンバーワンになった。その他フォーブス、アメリカンスタイルなど多くの雑誌で人気の住宅地、避暑地として頻繁に取り上げられるという。
なかでもビルトモア・ハウスは部屋数250室以上という途方もないスケールで、アメリカ最大の個人邸宅である。僕たちはグローブ・パークイン(写真1-4)という当地では歴史的ホテルに滞在した。1913年に創業された自然石をふんだんに使った豪壮な建物だ。アッシュビルという地域自体が地理風水に恵まれた穏やかな土地柄だが、見晴らしのよい丘の上に建つこのホテルのテラス周辺の空気感は格別。本当に心地よい。多分この場所が当地最高のパワースポットなのだろう。
それもそのはず。27代ウイリアム・タフトから44代バラク・オバマに至る歴代大統領がこのホテルを訪れたのだという。ロビーフロアには多くのアメリカ著名人の写真がズラリと飾られているが、僕はこういう権威主義的な雰囲気に満ちた空間は好きではない。部屋自体はさすがに昔のつくり、ふたつのダイニングとそのメニューにも落胆。もうひとつあった今風のカジュアルレストランEDISON(写真5)はとても感じ良かったが、かつての歴史的な栄光を継承しつつ現代にも対応してゆくということはとてもたいへんなことだと思った。
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