ヨセミテ国立公園はアメリカ西部、カリフォルニア州の中東部、シエラネバダ山脈の中央部に位置し面積は3081平方km(1190平方マイル)、1890年にアメリカ国立公園、1984年にユネスコ世界遺産に登録された。イエローストーンと並びアメリカを代表する国立公園。
世界最大の樹木ジャイアントセコイヤ、アメリカ最高の落差を持つ739mのヨセミテ滝など、とにかくスケールの大きさが特色。
そのヨセミテを象徴するダイナミックな風景がハーフドームだ(写真1-2)。真ん中からバサッと削り落とされたような垂直の絶壁。標高は2682m。1957年にロイヤル・ロビンスが最初の登頂に成功。ロビンスは埋め込みボルトやアンカーで岩場を傷つけることを嫌うクリーンクライミング倫理の提唱者で今日のスポーツ登山界に大きな影響を与えた。
ヨセミテには巨大岩山の宝庫で、ハーフドームの西側にあるエルキャピタンは一枚岩としては世界最大。
ヨセミテの先住民の歴史は紀元前6000年から始まり、19世紀にはアワニチ族(Ah-wah-ne-chee)の居住地だった。しかし1848年にカリフォルニアで金鉱脈が発見され、インディアンの土地にも金鉱を求める採掘者が侵入し争いが多発した。
ヨセミテのインディアン制圧のためにカリフォルニアのマリポサ軍隊が侵攻、1851年のマリポサ戦争である。勇猛で知られたテナヤ酋長(Chief Tenaya)率いるアワニチ族は抵抗したが最後は敗退した。
しかし幸いなことにヨセミテは森林伐採や採掘、ダム建設から免れることができた。開発が最優先される時代にヨセミテの貴重な大自然が守られたのはジョン・ミューアやセオドア・ルーズベルトなど自然主義者の運動によるもので、その後のアメリカ国立公園法の草案に繋がってゆく。
世界最大、巨大な一枚岩