パームスプリングスはアメリカ西海岸、カリフォルニア州にあり、面積は246平方km(95平方マイル)。東に3554mのサンジャシント山、北にリトルサンベルナルディノ山脈、南をサンタロサ山脈に囲まれた盆地。
アメリカ最高の晴天率と年間平均気温21度の気候。水源となる湖もあり、地理風水に恵まれた実に素晴らしい土地柄だ。
数千年に渡り、高峰サンジャシント山を信仰してきたインディアン、カウイヤ(Cahuilla)族は、その麓にあるパームスプリングスを聖地と考えていた。たしかに当地には人をリラックスさせる緩やかな雰囲気が漂っている。この心地よい空気感はかなり広範囲なものでパームスプリング市の東南のパームデザート、ラキンタ地区にまで及んでいる。
パームスプリングスは19世紀末から開発が進み、現在はゴルフリゾート、高級別荘地として人気が高い。夏は暑いが、湿度が低く爽やか。冬に日本から訪ねるバケーション用の避寒地としてはおそらくアメリカ本土ではもっとも安定して暖かいと思う。
僕はエレベーターを使うビルディング形式のリゾートは苦手。できれば平屋でベランダから出入りできるような施設に泊まりたいといつも思っている。
当地にはウェスティン・ミッションヒルズ(Westin Mission Hills Resort and Villas)やラキンタ(La Quinta Resort and Club)など低層のビラがたくさんある。前者は近代的でクリーン、後者は1926年創業の古い建物(写真2-3)。ラキンタはナチュラルな庭や建物だけでなくレストランのメニューも気に入っている。
なおパームスプリングスでは風力発電の風車が目立ち、こうした場所をウインドファーム(Wind Farm)と呼んでいる(写真4)。
アメリカは1980年代から風力発電に力を注いでいて、パームスプリングスはその代表格。世界の風力発電の総量は年間540ギガワット。中国は188ギガ、アメリカは89ギガ。日本とほぼ同じ面積のドイツの発電量が56ギガなのに対しわが国の3ギガはあまりにも寂しい数字。
SDGsが叫ばれる今日、風力発電に限らず太陽光、バイオマスなどグリーンエネルギー比を高める努力は先進国の義務であると思う。
砂漠のオアシス