グアダルーペマウンテン国立公園はアメリカ南東部、テキサス州西部に位置し、面積は350平方km(135平方マイル)、最高標高は2667m。1966年に国立公園に指定された。当地にはかつてカランカワ、キカプー、コマンチ、トンカワ、リパン・アパッチなど多数のインディアン部族が住んでいた。
公園はテキサス州の3大都市であるヒューストンから580マイル、サンアントニオから410マイル。ダラスからだと440マイル。どこから行っても車で片道7時間くらいかかる。もちろん公園内や周辺に宿泊設備はない。文句なしのアメリカ大奥地である。
年間入園者数が17万人前後。東京23区の半分以上の広さに1日当たり500人しか来ないのだから広い公園内でも人に会うことなど殆ど無い。その分、野生動物との出会いは期待できるのだ。
実際、森とキャニオンの切れ目あたりを走行中に突然ネコ科の大型動物が車の前を横切った。色は周辺のキャニオンとまったく同じ黄土色、尻尾がとても大きく長くて特徴的。初めて見る本物のマウンテンライオンだ。これには大感激、ひと気の少ない過疎の国立公園だからこその幸運だった。
当地に生息するマウンテンライオンはネコ亜科最大の大型肉食獣。アメリカではピューマ、クーガーとも呼ばれ、オスの尾を除いた最大体長は1.8m、体重は100kgになるという。
グアダルーペマウンテンは概ね荒涼とした山岳とロックキャニオンがメインで見どころとしてはMc Kittrick Canyon、Manzanita Springs、Smith Springsなど。ほかに歴史資産としてバターフィールド・オーバーランドメール駅馬車の廃墟がある(写真4)。この地域は19世紀の西部開拓時代にはセントルイスからサンフランシスコを繋いだ郵便駅馬車の通過点だった。
テキサスの大秘境、砂漠の真ん中の山岳国立公園