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マウントラシュモア国立メモリアル公園

 マウントラシュモア国立メモリアル公園
Mount Rushmore National Memorial Park,
South Dakota
MY FA VO RI TE
聖地に刻まれたふたつの文化

マウントラシュモアはアメリカ西部、サウスダコタ州ブラックヒルズ国立森林公園にあり、1925年に国立メモリアルに指定された。標高1745mのラシュモア山の花崗岩にアメリカ建国と発展を象徴する4人の大統領の顔が彫られている(写真1-2)。
ワシントンは独立戦争を指揮しイギリス軍に勝利、初代大統領となった。ジェファーソンはフランスからルイジアナを買収しアメリカの領土を倍増させ、リンカーンは南北戦争で南軍を破り、ルーズベルトはノーベル平和賞を受賞した。このモニュメントはアメリカ政府の主導により彫刻家ガットズン・ボーグラムが1927年から14年間かけて建造した。
ただしラシュモア山は古くからインディアンの聖地とされており設立以来スー族による抗議活動が頻繁に起きている。一方当地から10マイル西方の岩壁にアメリカ政府に抵抗したスー族の英雄クレイジー・ホース・モニュメントの彫像づくりがコルチャック・ジオルコウスキーにより1947年から進められている(写真3-4)。40年をかけ顔の部分がやっと出来あがったが、数十年後、馬に跨る全身像が完成すると世界最大の彫刻になるという。
このふたつの彫像にそれぞれの立場から異論を唱える人が多くいる。ラシュモアは当然のことクレイジー・ホース像にも反対するスー族の人もいる。美しい大自然を切り刻み、対立するふたつの文化の英雄を競い合わせることでこの地に住む人たちの未来は拓かれるとは思えない。
しかしこのプロジェクトはすでに始まっていて、今さら後戻りは出来ない。いっそのことクレイジー・ホース像の方にもアメリカ政府の予算をつぎ込んで一気に完成させるという案はどうだろうか。16世紀以来続くヨーロッパから入植者とインディアンとの軋轢、争い。今はもう相互理解、相互利益の道を探るしか他はない。
ケビン・コスナーは学生時代にクレイジー・ホース像を見て感動、のちに映画「ダンス・ウィズ・ウルブス」を制作しスー族の独自文化を世界中に知らしめた。合わせてアメリカ経済にも貢献したのだから、それは両者にとって大いに価値があったのだと思う。