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モービル

 モービル
Mobile, Alabama
MY FA VO RI TE
映画「フォレスト・ガンプ」の舞台

モービルはアメリカ南東部、アラバマ州の南端、メキシコ湾岸に位置し面積は413平方km(159平方マイル)。
樫の巨木が道路を覆う。「フォレスト・ガンプ」でトム・ハンクス親子が住む大きな家の庭にも、たしか大きな樫の木があった。まさにディープサウス。1995年公開でアカデミー作品賞を獲得、世界的なヒットとなった。ちなみに冒頭の羽が舞うシーンは東隣の州、ジョージアのサバンナで撮影された。
1702年にヨーロッパ人がオールドモービルに入植した当時、このあたりはチェロキー、アラバマ、チカソー、チョクトー、クリーク、コアサティ、モービルなど多くのインディアン部族の居住地だった。
1830年にアメリカ政府はインディアン移住法を発令、当地を追われたチェロキー族がオクラホマへ向かうその道は「涙のトレイル(Trail of Tears)」として歴史に残る。インディアンが去ったその土地にアフリカから奴隷を導入し、アラバマは綿花の巨大生産地として発展を遂げた。
僕たち夫婦がモービルを訪れたのはクリスマス・イブの夜。あまり深く考えずに、ウキウキした気分で当地で一番という伝統あるレストランに食事に出掛けた時のことは今でも忘れられない。19世紀以来、連綿と白人の支配者階級を顧客としてきたのだろう。客のすべてが白人。おそらく日本人の来店ははじめてなのだろう、どう待遇してよいかわからないのだ。僕たちが店に入っていった途端に支配人の顔色と店内の空気が一変したことを覚えている。
快適とはゆかなかったが、まずまずのサービスを得て食事は出来たが、支配人はもちろんヨーロッパ系白人、注文の係はヒスパニック系、片付けは黒人というまるで映画のなかのワンシーンのようでもあった。
奴隷解放宣言から150年、しかし身分制度の名残は今なお生きていて、それはアメリカ南部、奥地に行けばゆくほど重苦しく生々しいものだった。